真っ白な雪が降った日。冷たく牡丹色になった子狐の小さな手に合う手袋を買いに、人間の町へ行く母子狐の物語。
この絵本について
作:新美南吉
絵:黒井 健
偕成社(https://www.kaiseisha.co.jp/)
定価:1,400円(+税)
ページ数:32ページ
発売日:1988年3月
ざっくりあらすじ
雪が降った朝。子狐は初めて見る白銀世界を走り回り、
冷たい雪で”牡丹色”になった子狐の手を見て、母狐は手袋を買ってあげようと思います。夜になって人間の町へ買い物に行きますが、母狐は過去の出来事から足がすくんでしまい動けません。
そんなわけで、一人で買いに行くことになった子狐。
母狐は子狐の片方の手を人間の子どもの手に変えて、こっちの手を出すよう何度も何度も言い聞かせますが…。
戸の向こうにある光に目が眩み、子狐は思わず自分の手を差し出してしまいます。
読んでみた感想
小学2年の息子にリクエストされ読んだ本。
少し難しい言葉がありますが、「どういう意味?」と聞かれる回数も少なく比較的スムーズに聞けていました。
白く降り積もった雪の美しさや冷たさが伝わってきます。
母親目線で読むとどうしても、
自分も行けないような怖いところに子どもを行かせる必要あるのか…?とか
手袋を売ってあげた帽子屋さんも一見優しい人のような印象があるけど、お金が本物かどうかしっかり確かめているあたり。
もしこれが偽物のお金だったら、帽子屋はどうしてたんだろう?
と、
いろんなことを考えながら読んでいました。笑
うちの子ども達の反応は、ほっこりほっこり。
子狐が間違えて、人間の手ではなく自分の手を差しだしてしまう場面では、ヒャーヒャー!叫びながら、やばいよやばいよ…とつぶやく長男坊。
読み終えると、「あーーよかったーー!」とホッとしながら眠りについていました。
(我が家での読み聞かせタイムは寝る前)
この「よかったー」には、無事に手袋を買えて・無事にお母さんの元に戻れて・帽子屋さんが悪い人でなくて、などたくさんの安心ポイントが詰まっているように思います。
小学2年ともなれば悪い大人がいるという事実を擦り込まれながら育っているので、大人の私が読むよりも一気に緊張感に包まれてしまうのかもしれないな。
青空文庫でも公開されています。
URL(https://www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/637_13341.html)